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Q:デジタローグのCD-ROMタイトルの流れの中でも、最近のヒット作である『ジャングルパーク』は、荒木経惟、日比野克彦、タナカノリユキといった方々の作品集的なタイトルと若干ニュアンスが違っていて、よりダイナミックというか、インタラクティブ的、ゲーム的な要素が色濃いように思えるんですが、デジタローグとして『ジャングルパーク』を出されようとしたきっかけは何だったのですか。 それは超・簡単な話で、もともとプロペラアートワークス出身の松本弦人の方から「こういう作品を作りたいんだけど」というアイデアを聞いて、それはまさにA4一枚のアイデアスケッチだったわけですが、それを見せてもらって「いいよ」って言って「じゃあいくらかかる?」って予算を出させて、色々やりとりして「なるほど、わかった。じゃあこれでいこう」っていう調子でね。ごちゃごちゃ考えないで、その時ピーンときたらすぐスタートさせたわけです。だから『ジャングルパーク』にしても、もともとは作品をひとつ新たに作るんだということから初めたわけです。 『ジャングルパーク』を完成させ、発売した後で面白かったのは、ユーザーの方々からハガキで色々な意見を送っていただいたんだけど、それを読んでいると「操作性の悪いところがある」とか「不親切だ」とか、どうも50歳以上の人たちにとっては、マニュアルが不備だとか、わかりづらい商品だ、みたいな意見が多かったんですよ。だけど20〜40代ぐらいの連中というのは、みんなもう大喜び。そういうふうに同じ作品にたいしても、価値観の差が出てきたのはとても興味深かったです。でもね、例えばこれをうち以外のメーカーで作っていたら、「操作性をもっと良くしろ」とか「わかりづらい所を直せ」とか「マニュアルを付け足せ」とか、開発過程で色々と注文が入ったと思うんですよ。だけどうちの場合は逆で「もう少しややこしくしたほうがいいのでは?」とか平気で言うわけわけ(笑)。基本的に作品というのは、見たい奴/わかる人にだけ見てくれればいいんだ、っていう想いがあるから、そういう意味では一般的な多数決の論理とは違いますよね。とにかく作りたい奴がそういうふうにしたいという時、それが面白ければ、ダサくならない限り、どんどんやってくれ、というのが僕の方針ですからね。 言い方が難しいんだけど、たとえば作ってる間は「作品」で、売る時は「商品」だとか……そんなことはないんですよ。僕の場合、全部作品だと思ってるから。だから途中で「これはどうか?」ってみんなの意見を聞いてみて……とかは無し。まずは僕の意見で全部やってますから。僕が「こうだ」と言っても作家が「違う」って言ったら、「じゃあお前の言う通りやってみろ」となるわけですよね。そもそもね、いろんな意見を入れてどうたらこうたら言うから、中途半端なモノができちゃうわけですよ。僕なんかは分かりやすいものより、ちょっと分かりにくいくらいのほうが、魅力的だと思っていますから。例えば「まんじゅうは甘い!」って言われたら、誰も黙して語らず、でしょう。だけどまんじゅうの魅力的な写真がグッとあって、それを強制的に見せさせられたら、人間っていろんなこと考えるじゃないですか。そういう論法ですよね。だから、産業としてのマルチメディアなるものが、世の中にはあるのかもしれないけれど、僕はそんなことを意識して作っているわけではないんです。とにかくいい作品を、面白そうな対象を作っていこうと、それだけです。それはとても地道な作業なんですよ、実際には。 逆に僕にしてみれば、マルチメディアという泥の海のような業界にいて、皆さん楽しく仕事しているのかしら?って、時々ふと思うことがありますよ。商売なんて楽しかったら一番いいんですよ。もちろん僕らにしてもうっとうしいことはたくさんあるけれど「とりあえず肩の力を抜いて、楽しくいきましょうよ」という気持ちも一方であるから、そういうふうにしていかないと、やっぱりいいものはできないでしょう。 |
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