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No.11 / 2003 年 1 月 27 日 TOKYO 発
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| 丁度1年前のこのコラムで、今年こそ株式市場が浮上するでしょうみたいなことを書き、今更ながらに、将来を予想することの難しさを噛み縮めているところです。昨年の失敗に懲りず、今年も挑戦したいと考えているわけなのですが、今回は、アノマリーについてご紹介しながら、相場予想を行ってみたいと思います。 アノマリー《アノマリーとは》簡単に言うと、「市場の変則性」ということになりますが、市場の動きが理屈や理論に沿った動きとならないことがよく観察される中、ある種の経験則みたいなものが見受けられることがあり、こうした経験則みたいなものをアノマリーと呼んでいます。 例えば、私が為替のディーリングをやっていた頃、下手な相場観でディールするよりも、東京市場のオープン(午前9:00)で買い、クローズ(午後3:00)あるいは対顧客レート設定時(午前10:00)で売るという単純な行為を続けた方が成績がいいという事実もありました。また、アノマリーではありませんが、市場の周期性というものに注目し、それに従ってポジションを取って行くというやり方もあります。例えば、太陽の黒点活動の周期(例えば、エルニーニョ現象は黒点活動によると考えられています、従って、それに影響を受ける経済事象などは黒点活動が起因となっているという考え方)を基準にしたり、10年〜12年周期の現象を中心に考えたりとか(ジュグラーサイクルと呼ばれる)、ある意味、いろんな経済や社会現象の周期性・リズムに着目する考え方です。 《お正月によく登場するアノマリー》定番となっているものですが、1月の月間の相場動向がその年の相場動向を決めるんだというものです。例えば、1月最初の営業日の為替レートと最後の営業日の為替レートを比べ、円安になっていたら、その1年間も円安になるということです。何にも理屈はないのですが、1月の動きがその年のリズムを決めてしまうということなのかもしれませんね。 馬鹿なことをと思われる方も多いと推察しますが、意外と事実は馬鹿に出来ないのです。手元には、1974年以降のデータがありますが、何と、29年間でそのアノマリーがワークしなかったのは、たったの4回だけです。他の25年は、1月が円高になれば、年間でも円高に、1月が円安なら、年間でも円安になっています。1月が終わったところで、仲間内で年末の為替相場方向の賭けをするなら、かなりの確率で勝てると思います。 もう一つ、よく当たるアノマリーをご紹介しておきましょう。これは、アメリカの株式市場に関するもので、ニューヨークダウの1月の動きが、その年の動きを決めるんだというものです。すなわち1月月間で上昇すれば、年間でも上昇し、1月月間で下落すれば、年間でも下落するというものです。方向性だけの勝率では、過去22年間で、20勝2敗、また、1月の上昇率あるいは下落率を年間の上昇率・下落率が上回っている場合(例えば、1月の上昇幅が50ドルで、年間の上昇幅がそれを超える場合、下落の場合はその逆)でも、17勝5敗となっています。ただ、残念なのは、1月前半はこうした話がよく出て来るのですが、2月にはみんな忘れてしまい、右往左往の連続の中、気が付くと、12月になって、そう言えばと振り返ると、今年もやっぱりそうだったかという話に落ち着いてしまい、アノマリーが活かされないケースが多いということです。(お客様には、アノマリーがこうですので、こういう投資方針ですとは、中々説明しにくいのかもしれませんね。) 《2003年の相場は?》それでは、今年はどうなるのというお話に移るわけですが、最初に、先ほど述べた「10年〜12年周期」という話からスタートしたいと思います。これは、ジュグラーサイクルと呼ばれ、景気循環の中でも、設備投資循環などの説明によく使われるものです。その期間は、10年と明確に決まっているわけではなく、10年前後のサイクルで、長期的な傾向が変化する場合が確認されるということです。干支も12年で一回りするわけで、色々なことが変わりやすくなる節目になりやすいのだと推量することは可能かと思います。振り返ると、1989年にバブル期最高値の38,915円を付けて以降、その後の傾向としては、引き続き株価は低下傾向にあります。既に高値からすると、13年間下がり続けているわけで、周期論者でなくとも、そろそろ上がるんちゃうかと思いたくなる状況にあります。 私が思うに、明確な実感は伴っていませんが、恐らく次の新たなトレンドが支配する10年には既に入っていて、その流れが見えていないのではないかと感じています。それは、下がったから上がるというものではなく、もしかすると横這いの10年間になるのではないか、少なくとも前半の5年間くらいは、そういう状況が続き、その後、底値を切り上げるような形で、相場全体が持ち上がって行くような気がしています。いろいろなことを考えると、一本調子で、継続的に何年も株価が上がるような状況は想定しづらく、一定の幅の中で、その時の情勢を反映しながら、上下変動を繰り返す局面が多くなってくるのではないでしょうか。 今年の株式市場を見て行く上で、ネガティブな要因としては、(1)株式の積極的な購入者群が見当たらないこと、(2)デフレ環境の下、経済のパイが大きく拡大する局面ではないこと、(3)イラク問題など予想出来ない不透明要因が存在すること、(4)年金制度の変革の中で機関投資家から継続的な売りが出て来る可能性があることなどが挙げられますが、一方、ボジティブな要因としては、(1)市場には十分な流動性が供給されていること、(2)且つ、外国人投資家は日本に対する投資を既に抑え目にしており、これ以上売却する必要はなく、場合によっては資金流入の可能性もあること、(3)企業の収益状況には引き続き改善傾向がみられることなどがあります。 こうした様々な要因が、その時々の情勢により、綱引きを演じ、絶え間ない上下変動が繰り返されるわけですが、結局は、あまり大きな株式市場の下落はなく、年末に向け、多少は明るくなるのではと思っています。この背景には、継続的な不況の中、悪い状況への耐性が強まっており(ネガティブなニュースには慣れており、且つ、身構えが出来ている)、却って、良いニュースヘの身構えが出来ていないということがあり、結構予想外の展開(もしかすると急回復)というのもあり得るのではと密かな期 待を寄せているものであります。 中々、数字でドンピシャに当てるというのは至難の業ですが、イラクの状況次第では年内にバブル期以降の最安値を付ける可能性は高く、それは、日経平均で7500円くらいの水準が一つの目処となり、年内の高値は、恐らく10,000円を超えるかどうかという水準かと思っています。一つ申し添えておくと、これは世の中の一般的な見方よりは、若干保守的で、通常は、8000円〜12000円くらいを言う人が多いようです。季節的には、春先から初夏にかけてと晩秋の頃に買われやすく、2月及び夏場から初秋にかけ ては弱い相場となりやすいと勝手に想像しています。 さて、これからどんな世の中になっていくか、本当のところよくわかりませんが、未年は、よく、「羊辛抱」の年と言われますし、皆様(年男である私も含め)と共に更なる飛躍が将来出来るような土台を作る1年としたいと思います。 |
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