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新年ごあいさつ

みなさま、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、これまでの「たべぶぎょうのもうそう」をあらため、「たべぶぎょうのしりとり」という新しいシリーズをお届けしたいと思います。ネタはこれまでどおり、食べ物にまつわるものですが、今までと異なる部分は、1)タイトルがしりとりになっている、2)ちょっと短い、です。ま、要は気分を一新させたかったっちゅうことですね。今年はもっと頻繁に更新するよう努力しますので、今後ともよろしくお願いいたします。

ではさっそく第一号へ。7日は過ぎてしまいましたが、七草がゆの話です。

七草がゆ

うちの七草がゆ

1月7日は、七草がゆを食べる日である。

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ

子供のころから、この七草の名前を口に出して言うのが好きだった。今は亡き父方の祖母が、正月が過ぎる頃に、ぶつぶつとつぶやいているのを聞いておぼえた。

口に出すたびに、語呂がいいから「日本語って美しいなあ」と感じる。そんな風に「音」に風情をおぼえたのは、中学生くらいになってからのことだったと思うが、もっと幼いころは、七草が何かを知っていると、なんだか「物知り」みたいな気分になれたから、あちこちで自慢げに言っていたように思う。

しかし、七草の名前を知ってはいても、実際は「ほとけのざ」がどんな草なのか、「はこべら」とはいわゆる「雑草」の「はこべ」のことであるとか、そういうことは知らなかった。

あるとき、養鶏場を営む伯父の家に遊びに行ったことがあった。鶏を飼う傍ら、アヒルも飼育していた伯父は、そこらへんに生えているはこべをむしっては、鶏舎内を走り回るアヒルの頭上に放り投げた。アヒルたちは、宙を舞うはこべを追いかけ、群がり、もつれかえった草の束を、くちばしで必死に引っ張り合いながら勢い良く食べた。

実はこれ、私が「はこべら」が「はこべ」であることを知って間もない春のことだった。アヒルがむさぼり食う様子をみて、「あのお粥に入ってる七草のひとつは、アヒルのエサなんか…」と、ちょっとイヤになった。別にアヒルと人間が同じ草を食べたってかまわないのだが、新年におごそかに食べる七草が、目の前にいるアヒルのエサでもあることを知り、七草がゆの「ありがたみ」が半減してしまったのだ。

1月7日が来れば、何も考えずに「七草がゆセット」を買い、何も考えずに七草がゆを作る。おそらく、死ぬまでずっと毎年食べるにちがいない。でも、けっしてうまいと思ったことはない。塩だけで味付けた粥を、ビョーキのときならともかく、健康なときに食べたところで、うまいわけがないと思う。それに、七草を、いくらよく洗っても、なんかちょっと「土」くさいのが気にくわない。しかしまあ、「しきたり」とはそういうものなのだろう。「無病息災を願う」というよりはむしろ、食べないとビョーキになるような強迫観念にとらわれるから、今に伝えられているのだろう。

それにしても、「ほとけのざ」とは、七草のなかの一体どれなのか。実は、未だに知らないのである。


次回は「百合根」をおとどけします。


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