山森茶館

1999年11月

ゴビは砂漠か

<写真:山森洋一 撮影:1999年7月17日、午後5時ごろ。機上から>

ゴビ砂漠は英語でもGobi Desert と表記されるが、空から 眺めると延々と続く砂丘の連なりといった姿では少なくとも、 ない。東は中国の内蒙古自治区から西はアルタイ山脈まで東西2500km、南北1500kmにわたる、総面積 約100万kuのゴビ砂漠は、国土の30%を占める。 「ゴビ」とはモンゴル語で「短い草が疎らに生えている土地」という意味で、砂漠と呼ばれてはいるが、実際には山や森、 草原であり牧畜に適した土地も多く、珍しい動植物も少なくない。

ウランバートルを飛び立った機は、東南に向かい1時間もしないうちにゴビの上空にさしかかる。やがてドルノゴビ県のサインシャンドの町の上空から中国の内モンゴル自治区の エレンホトを通過し北京、大連上空に至る。写真はゴビに到達してまもなく午後5時ごろ撮影したもの。中ほどの青い部分は海のようにみえるが、山と草原である。巨大な雲海の上がモンゴリアン・ブルーといわれる空で、なんとなく地平が円いという実感をもつことができる。

雲の影が落ちている砂地が砂漠といわれる所以だろうが、 むしろ赤土といったほうが正確だろう。砂漠らしい砂はほと んど見かけることはなかった。本物の砂漠はゴビにたった 2%しかないのだから。1万メートルほどの高度でも、ガガーリンの「地球は青い」という言葉がわかるような気がする。 かつて北京から敦煌に向けて飛んだときにも同じような光景 を味わった。ゴビ上空の飛行は宇宙の疑似体験といっていい。


(c)1999 Yoichi Yamamori

honyaの表紙バックナンバー最新号

x ロ, ロfP 琢ィ