山森茶館

1999年12月

Choi Hona−街道のめし処

<写真:山森洋一 撮影:1996年2月15日正午前。ウズベキスタンにて>

Choi Hona−街道のめし処

Choi Hona とはお茶(Choi)を楽しむ場所(Hona)のことで、チャイハナは中央アジア一帯に共通の生活文化といえそうだ。街の広場や、泉のほとりあるいは市場の一角で老いも若きもお茶(緑茶)とお菓子で長時間過ごすのだが、客は男ばかりである。世間話や噂話で盛り上がるのだが、地区の長老会議などもしばしばここで開かれる。旅行誌や紀行文などでそんな戸外のチャイハナの紹介をご存知の方も多いだろう。

だが、チャイハナとはお茶だけではなく食事をする家や店のことも指すようだ。タシュケントのような300万都市でも街でレストランをみかけることはほとんどなく、食事時になると、通りのあちこちで、うちのチャイハナは一番だよと客を誘う子供たちを見かける。だいたいが寡婦が自宅で何組かの客に手料理をふるまい、生活を維持していると聞いた。夕食のメニューは、どこでも羊肉のプロフ(ピラフ)、羊とジャガイモのスープ、それに生野菜、果物、それに食べ放題の円いナン。プロフだけはそれぞれに味付けが異なりその家のウリなのだ。

ここウズベキスタンのサマルカンドからブハラに向かう街道で昼飯のチャイハナをみつけた。写真の坊やが街道脇に吊るした魚を指しながら「チャイハナ」と誘ってくれたからである。この家はトルクメニスタンと国境を接するアムダリア河に近く、何種類かの淡水魚を調理してくれる。といっても調理法にバリエーションがあるわけではなく、単にぶつ切りを油で揚げるだけ。2種類注文したがどっちも同じような味だった。床の敷物に料理や調味料、ナンを自分たちで並べて、座り込んで食べるのだが、ここでもお茶は旨かった。


(c)1999 Yoichi Yamamori

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